Region[リージョン] No.27 | 渕上印刷 33/40

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鹿児島市吉野町にある鹿児島県立養護学校。高等部3組の朝礼で、健康観察係の田之上諒磨くんが首からぶら下げたトーキーペンを使い、手帳に書かれた文字をひとつずつ丁寧にタッチしてクラスメイトの名前を呼んでいる。呼ばれた生徒も元気に返事をして、諒磨くんにも笑みがこぼれる。言語障害を持つ諒磨くんが、トーキーペンと手帳がセットになった「おはなし手帳」を使い始めたのは昨年の12月から。手帳には50音のほかに、あいさつや食事、行動、質問、日にち・時間などの言葉がカテゴリーごとに分けられて掲載されている。担任の小山田丈志先生は「これまで以上に諒磨くんとコミュニケーションが取れるようになりました」と、うれしそうに語る。「『おはなし手帳』を使うことで諒磨くんも積極的になってきたと思います。ほかの教科の先生からも『諒磨くん、変わりましたね』と言われるんですよ」母親の浩子さんも「本人が一番うれしいと思うんです。音が出るから、周囲に気付いてもらえる。そうすれば気にかけてもらえるということを、本人が気付いたんだと思います」と語る。個人差もあるため、すべての人に「おはなし手帳」が向いているわけではない。諒磨くんはもともと本を読むのが好きで文字を覚えるのも早く、相性が良かったともいえる。それでも教育現場において、トーキーペンが新しい可能性を秘めているのは間違いないだろう。現在「おはなし手帳」は鹿児島市の「日常生活用具の給付」対象となっており、所得税額に応じた負担金で利用することができる。給付対象の障害および程度は、「音声言語機能障害者又は肢体不自由者のうち、音声又は発語に著しい障害を有するもので、原則として学齢児以上のもの」。鹿児島市だけでなく、そのほかの市町村でも同等の制度がある。トーキーペンの教育現場での活用法は、まだ始まったばかりだ。ペン型の電子機器で特殊なコードに触れると音声が再生される「トーキーペン」。現在、主に鹿児島県内の施設や展示館などで使用されているが、最近教育現場でも活用されるようになってきた。トーキーペンの新しい可能性に迫る。「諒磨くんの積極的な変化がうれしい」と担任の小山田先生。手帳に掲載された文字に、ひとつずつ丁寧にタッチしていく諒磨くん。手帳には、生活に必要なさまざまな単語や50音が掲載されている。先生やクラスメイトとの意思疎通にもトーキーペンを使っている。教育現場でも活躍するトーキーペンお問い合わせ先TEL:099-269-4123検 索渕上印刷 トーキーペン検 索➡

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