Region[リージョン] No.27 | 渕上印刷 9/40

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霧島市国分にある[ヴォアラ珈琲霧島本店]。この店では豆を購入した客に、本物の味を知ってほしいからとエスプレッソやカプチーノを無料でサービスしている。つい最近まで日本一になったバ※リスタも在籍していた、県内外に多くのファンを持つコーヒー豆専門店だ。 大きな一枚板が目を引く接客スペースの壁を挟んだ隣では、大きなアメリカ製の焙煎機が大きな音を立てている。多い日で約2万杯分の豆を焙煎することもあるそうだ。オーナーである井ノ上達也さんが何よりも気を付けているのは、豆にとって快適な環境であること。自身の仕事はそれを追求することに尽きるという。「豆の焙煎には、環境が非常に大切。だから少し早めに出勤して天候に合わせて空調を入れたり、コンピューターを立ち上げたり。ドリップペーパーも何が一番いいのか徹底的に試してみる。おいしいコーヒーを飲んでいただくために、できることは何でもします」 そのための大前提として、おいしい豆を見極めて仕入れることも欠かせない。年に数回、海外の産地を訪れて現地の生産者と交流し、知識や技術を追求している。「コーヒーって果物のようなものだと思うんですよ。例えばおいしさの頂点が60点のコーヒー豆があるとしたら、その後どんなに上手に焙煎しても60点の味が最高なわけです。だからまずは100点に近い豆を揃える。そしてその100点分のおいしさを引き出す。そのために良い焙煎機を揃えていると言ってもいいかもしれません」 快適な環境づくりという視点は、働くスタッフにも向けられている。ここでは井ノ上さんも含め、スタッフが交替で昼食を作る。一カ月の食費は約3万円。当番のスタッフは食材を自分で調達し、毎日11時過ぎから調理に取り掛かる。食材は季節の野菜や自然食を使うことが多い。この日のメニューは、「葉たまねぎとトマトのパスタ」「青大豆を茹でたもの」「ブロッコリーとキャベツのサラダ」だった。「店を開けているので一度に全員が揃うことはないんですが、こうしてみんなで食卓を囲むことって、チームワークを高める意味でもすごく大切なことだと思うんですよ。また、いかに簡単においしく作るかというアプローチを考えることは、きっと仕事にも生きてくるはず。何より食費もかからないでしょ(笑)」 豆にも人にも、快適にその能力を発揮してもらう仕組みを作る。そのためには決して妥協せず、いいと思ったことはどんどん取り入れる。1杯のおいしいコーヒーを届けるために、井ノ上さんの取り組みはこれからも続いていく。※エスプレッソをはじめとして、コーヒーを淹れる人の総称。13241. 珈琲豆のほかに、カップやミルなどの道具も販売している。2. エスプレッソやカプチーノを楽しみにしている常連客も多い。3. 昼食を作る大山さん。スタッフの中で一番おいしいと評判。4. 常時15種類ほどの豆を販売。バラエティー豊かなラインナップが揃う。事務所で昼食を食べる井ノ上さんとスタッフ。07

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