Region[リージョン] No.28 | 渕上印刷 10/40

Region[リージョン] No.28 | 渕上印刷
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書いた落札者を決定していく。競り落とされた品物の上には、仲卸の屋号を記した紙片が置かれていく。もし全く同じ価格が提示された場合は、じゃんけんで決めるというのがどことなく微笑ましい。 太物、青物、瀬物などがこの黒板セリでセリが行われるのに対し、近海物は手ゼリと呼ばれる方法でセリが行われる。これは指の形で数字を表すもので、指を振ったら桁が一つ上がるなどの独特のルールがある。威勢のいいセリ声は、何と言っているか素人にはさっぱり分からない。しかし、その迫力には圧倒される。また、セリ人によってリズムや抑揚が違うのも面白い。 ここで繰り広げられているのは、プロ同士の駆け引き。一瞬で決まる真剣勝負だ。昔も今も変わらぬはいいものを、という思い セリで落とされた品物は、鮮度を保つためになるべく素早く仲卸の店舗へと運ばれる。マグロやカジキマグロは店頭に並べやすいよう、すぐに解体される。その豪快な包丁さばきは、まさに市場ならではの風景だ。 近海物や養殖物、特殊ものまで幅広く取り扱っている丸徳水産の種子田修さんに話を伺う。昭和35年創業で、種子田さんは2代目。量販店や町の魚屋や寿司屋など、買い出しにやって来る人(買出人)は常連がほとんどだという。「最近では、大きさが揃った型が好まれる傾向がありますね。セリの前に下見を当然するのですが、その際見るポイントは身の質や鮮度、色、脂の乗り具合などです」 種子田さんたち仲卸は、まさに目利きのプロ。そこには誰よりも魚を見ているというプライドがあり、買出人との信頼関係がある。セリ人が表の主役なら、仲卸は隠れた主役といえるかもしれない。 市場の一角では、何台も並んだ車の前でそれぞれ魚を捌く姿があった。「かわいい、かわいい、魚屋さん」のメロディーとともに町を走る魚の移動販売車だ。小幡久子さんはこの道30年以上の大ベテラン。捌く手つきも慣れたものだ。魚類市場には全部で29軒の仲卸が軒を連ねている。仲卸へと運ばれたマグロはすぐに解体される。豪快にして繊細な包丁さばきにしばし見とれる。仕入れたばかりのマカジキの刺身を食べる二人の御仁。市場で働く人の特権。水揚げされるカツオ。トカラ沖や奄美大島沖で獲れたものが多い。競り落とされた魚は鮮度を保つため、台車ですぐに店舗へと運ばれる。08

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