Region[リージョン] No.28 | 渕上印刷 11/40

Region[リージョン] No.28 | 渕上印刷
11/40

「日によって違うけど、今日は田上や宇宿方面を回る予定。魚離れが進んで昔に比べたら売れなくなったのは事実だけど、これからも楽しくやっていければいいかなと思いますね」息子の健彦さんも、8年前から同じ仕事に就いた。隣同士で魚を捌き、朝の10時から夜の7時までそれぞれのルートを回って販売する。「まだまだこの世界では新米(笑)。全く同じ魚がいないように、一日一日違う出会いがあるのが醍醐味かな」国民一人の一日当たりの魚と肉の摂取量は、平成18年に初めて肉が魚を上回り、日本人の魚離れが進んでいる。また、漁師や市場で働く人の高齢化も深刻な問題だ。時代の流れとともに、セリ売りは次第にその規模を縮小しているという。市場で取り扱う魚の量も、昔に比べたら圧倒的に減ったそうだ。しかし、豊富な経験と高い知識を持った人たちが、自分の目や手で実際に確かめ、今も変わらぬコミュニケーションの上に売買が成立しているというシステムは、こんな時代だからこそ逆に魅力的にさえ感じる。人から人へ、新鮮でおいしいものを届けたいという市場の人々がいる。その確かな思いが、今日も私たちの食卓に並んでいる。携帯電話はもはや市場の必須アイテム鹿児島市東開町にある鹿児島市中央卸売市場青果市場。午前5時前の場内には無数の段ボールが山積みされ、その間の通路を何十台というフォークリフトが忙しく走り回っていた。携帯電話を片手に段ボールの中身をチェックしたり、数を数える人も多い。セリが始まるのは7時からだが、相あいたい対取引による売買は5時からすでに始まっていた。相対取引とはセリや入札を通さずに、売り手と買い手が直接行う取引のこと。今では流通の変化によってこの相対取引が主流になりつつあり、先に紹介した魚類市場でも半分以上が、実は相対取引だ。ここ青果市場でも、7割近くが相対取引によって売買されているという。そのため、かつてセリ前に最も賑わっていた場内は、今では真夜中だけでなく一日中トラックが入ってくるようになった。携帯電話を持っている人が多いのは、入荷の状況や全国の相場を見ながら取引先と交渉しているからだという。主に鹿児島市内を中心に魚の移動販売を行っている、小幡久子さん・健彦さん親子。届いたばかりの魚をチェックする若い男性。きびきびと働く姿が気持ちいい。鹿児島市中央卸売市場青果市場09

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です