Region vol.43
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をふるい、おでんと牛スネ肉入りのミネストローネを振舞いました。「山神祭は僕が子どもの頃から人が大勢集まり、焼酎も飲み放題で、それは大変にぎやかなものでした」と佐々木社長。ちょうどこの時期から夏までは木が成長する時期で、水や栄養分をたっぷりと蓄えて、腐りやすく白蟻がつきやすいので、木を切ってはいけないと昔から言われているそうです。 山佐木材は一九四八(昭和23)年、山佐産業として創業。事業拡大により、一九七九年に製材部門が山佐木材として独立しました。 現在は、徹底した品質管理のもと、国産材、特に南九州のスギ・ヒノキ材を中心に、製材、乾燥、防腐防蟻から集成材の製造・加工、大型木造建築の設計・施工まで一貫して行っています。 日本は国土の三分の二が森林に覆われる世界有数の森林大国で、世界遺産の法隆寺に代表される木造建築の長い伝統を持っていますが、戦後、日本経済が強くなるにつれ、木材の輸入が自由化されると、国産材は輸入材に押され、林業は低迷するようになりました。 木材業の将来を見据え、佐々木社長が注目したのが集成材事業でした。一九九〇(平成2)年、大型木造建築に本格的な取り組みを開始します。当時、木造建築は国内では住宅に限られていましたが、海外では大きな木造の建物が作られていました。 山佐木材が手がけた記念すべき第一号が城山観光ホテルのガーデンレストラン「ホルト」(一九九一年完成)。ドーム型ホールは、県内外のお客様を驚かせ、「どのようにして曲げているのか」などと口々に尋ねたそうです。 集成材事業に取り組んで、はや四半世紀。携わったプロジェクトも鹿児島港「ドルフィンポート」(二〇〇五年完成)をはじめ優に千件を超えました。昨年開校の楠隼中高一貫教育校の寄宿舎にも肩付き湾曲集成材など、数多くの製品が使用されています。「良い材料があれば、新しい技術・工法に取り組んで、木造建築の可能性を広げたい」と話す佐々木社長が国産材利用拡大の切り札として今、注目しているのがCLT(「直交集成板」)です。 CLTはひき板を並べた層を板の方向が層毎に直交するように重ねて接着した大判のパネルで、欧米では一般住宅から中・大規模施設や6〜10階建の集合住宅まで様々な建物が建てられています。 山佐木材は他二社と日本CLT協会を設立し、国内二番目のJAS認定工場となりました。現在、国の「ロードマップ」に沿って建築基準の整備に必要な強度などの試験データが収集されているところですが、今年度はCLT増産のために設備の増設も計画しており、CLT工法と「SAMURAI集成材」を併用して建設される予定です。「SAMURAI集成材」は、鹿児島大学の塩屋晋一教授が開発した鉄筋入り集成材です。 東京五輪の主会場となる新国立競技場の設計案決定も木材業界に追い風となりました。森林認証を取得した国産材を全国の集成材工場から調達することになっており、山佐木材の国際認証(加工・流通)取得も間近です。鹿児島県立楠隼中・高一貫教育校の「楠隼寮」食堂棟(鹿児島県肝属郡肝付町)代表取締役社長の佐々木幸久さんなんしゅん二〇一六年はCLT元年、高層木造建築時代の幕開け佐々木 幸久鹿児島県肝属郡肝付町前田2090(下住工場)昭和23(1948)年6月23日昭和54(1979)年4月13日4,000万円93人(役員とパートを含む)製材品および集成材の製造・加工大型木造建築の設計・施工http://woodist.jimdo.com山佐木材株式会社【代表者】【所在地】【創立】【会社設立】【資本金】【社員数】【業務内容】【ホームページ】←SAMURAI集成材のサンプルを持 つ集成材部課長の下村秀二さん

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