Region vol.43
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朝日(旭)通より桜島を望む道路の先には鹿児島のシンボルいくた・まこと。絵葉書研究家。昭和32年、京都市生まれ。元産経新聞記者。主な著書に『ロスト・モダン・トウキョウ』『日本の美術絵はがき1900-1935』などがある。また、最近の監修書としては『明治の京都 てのひら逍遥』がある。生 田 誠 PROFILE故郷に戻ると、人は「山のありがたさを感じる」といいます。かの石川啄木が詠っているから、間違いはないでしょう。筆者の場合は、京都の東山ですが、鹿児島の方はもちろん、桜島(御岳)だと思います。その気持ちは、旅人も同じではないでしょうか。以前、鹿児島の街を訪ね歩いたときには、通りやビルの間に桜島の姿を見て、ホッとしたことがあります。見失っていた方角を取り戻しただけでなく、何か大きなものに抱かれるような、安心感があったのでしょう。誰にとっても「桜島はありがたきかな」ということです。この絵葉書には、朝日通から見た桜島の雄々しい姿が写されてい絵葉書TRIPなつかしの風景、絵葉書に見る鹿児島第16通ます。現在、朝日通は沖縄に至る国道58号になっていますが、ほとんどは海上のため、鹿児島市内の道路は700メートルほど。中央公民館前から鹿児島港までの区間なので、山(桜島)の大きさから場所を特定できるかもしれません。筆者が鹿児島を訪れたときには、まだ入手しておらず、探り当てることはできませんでした。桜島のことばかり書いてきましたが、道の両側の風景にもなかなか興味深いものがあります。町屋や商店、人物、人力車、そして奥には、荷車のようなものも見えます。こうした中、店の看板の文字などをヒントに「風景」を解読するのが、絵葉書を収集・研究することの醍醐味といえるでしょう。ただ、同じようなことを考える方は、他にもいらっしゃいます。そのせいか、最近では、街並みを写した絵葉書の人気がかなり高まってきました。もう1、2枚、同じような風景絵葉書を買い求めて、読み解きたいのですが、ちょっと難しくなってきました。

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